2017年10月1日日曜日

アフリカに万里の緑の壁

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51217
BBCニュースJAPANに、BBCの番組「アフリカに巨大な緑の壁 地元経済再生へ」というビデオが掲載されている。アフリカに興味を持っている方は是非見て頂きたいと思う。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51217

セネガルから紅海まで、いわゆるサハラ砂漠の南縁のサヘル地帯に8000km、幅15km、11ヶ国にまたがる巨大な植樹計画である。現在のところセネガルではうまく進んでいるとのこと。枯れた井戸に水が戻り、樹木による影の影響で農地に必要な水の量も減り、砂漠化の進行によって故郷を捨てざるを得なかった人々も戻ってきて、地元経済の再生に役立っているという。

2007年に始まり、総工費$80億。世銀や国連、AU、英国王立植物園は寄付を約束しているそうだ。

…サヘルに対して、このような大規模なプロジェクトが進展することは、極めて重要であると私は思う。深刻な砂漠化に対しては、このような大規模な施策でないと追いつかないからだ。ただ様々な懸念がある。最大の問題はこの地に住む遊牧民とその生業の保障である。彼らの説得にはかなりの時間と経験を要するだろうと思う。また、太陽エネルギーなどの利用で、エネルギー需要を賄い、樹木の消費を減らす事前の準備も必要だと思う。このビデオでは、セネガルの農耕民の様子が中心だったが、遊牧民への理解と説得なしにはこのプロジェクトは進まないのではないか。繰り返すが、遊牧民は誇り高い。彼らの価値観は我々とは大きく違う。開発の名の下に正義を振りかざすことは絶対に避けて欲しいと思う。

こういう想いは京都大学のアフリカ地域センターでのセミナーで遊牧民の生活を学んだ故のことである。文化人類学と持続可能な開発を今こそ融合していく時代に入ったということだろうか。

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